2014年5月15日木曜日

7MHz AM受信機

外観
かねてより実験中のLA1137Nを使用した7MHz受信機が一応完成した。
【LA1137N】
 サンヨーのこのシリーズについては、「JA2NKD無線工房(その1)」でLA1135,LA1137Nについて概要を掲載してきたので、そちらも参照してください。
 周波数変換、局部発振、IF増幅、検波、AGC,Sメータ回路とほぼすべての機能を搭載している。特にAGCは、多彩な機能を持っており、アレンジできそうである。




【回路】
回路図
回路図を参照してください。基本的にブログ(その1)で紹介したものである。変更しているところは局部発振回路である。周波数可変範囲を7.0-7.2MHzとしている。局発コイルに手持ちのタイトボビンにリッツ線を19t巻いたものがあったのでこれに合せてコンデンサーを決めている。少々Hi-Lとなり、コンデンサーが小さめのため調整が難しいことと浮遊容量等の影響を受けやすいと思われる。出来れば半分くらいのコイルでいいと思う。もう少しきっちと計算、計画して定数を決定する必要がある。今回は取り敢えずこのまま完成させた。コンデンサーにはNP0のセラミックを使用している。




【ケース】
背面
ケースはリードのPK-12を使用している。パネルはアルミだが、上下は鉄で多少加工がしにくい。
 ダイヤルエスカッションは木製で東急ハンズに図面を渡して切ってもらったものに黒のツヤなしスプレーで黒く塗ったものである。
 ダイヤル板は、これまたハンズで入手した70mm円形のアクリル板。このあたり極力加工しなくてもいいように既製品を活用している。減速機構には貴重品のボールドライブを使用している。最近DDS等でデジタル化することが増えてきたので、貴重なボールドライブを使用する機会が減ってきたので、逆に一生懸命消化していかないとかえって死蔵品になりそうである。
 Sメータはオーディオ用ラジケータ(VUメータ)のパネルをPCで印刷したものに張り替えてSメータとしている。前面パネルにはAFボリューム以外必要ないのだが、デザインと将来の改造を考慮し余分なボリュームとスイッチをつけている。
 背面パネルにはアンテナ入力とVFO出力、SP出力等がある。


【まとめ】
内部
名古屋生活はマンションとなり、まともなアンテナが無いので適当な線をぶら下げて利いているので感度が良いのかどうか良くわからない。SGからの入力ではそこそこ十分な感度と思われる。
 課題はVFO。電源投入時から安定するまでにかなり変動がある。一度安定するとその後は電源ON/OFFでも頗る安定なのだが。
 またスタンバイ回路にも課題がある。VFOを切らずに高周波部分を切れるようにしているが、この時の変化がIC内部で影響しているのかVFOが少しずれる。送信中なのでそれでもいいのだがVFO出力をカウンタでモニターしたりとランシーブに利用するとなると困ったことになる。従って現状ではSWL用としてしか使えない。
 やはり局部発振はしっかりとした回路で独立
VFO部分
して組み、ICに注入する方法とするべきであろう。
今後その方向で改造をしようと思うが、いつになることやら。また、出来ればBFOを付け簡易的にSSB,CWも利けるようにしたいと思うが、出来るかどうかである。
 取り敢えず一段落とします。


2014年1月11日土曜日

7MHz AM送信機

外観
昨今AM回顧ブームのようで、OMさん達が元気。そこでジャンク箱を漁って送信機を作ってみた。

【部品】
 できればできるだけレトロにと思って探してみたが、それほどのものはなかった。大昔転勤の時に真空管関連は、処分してしまった。残念である。
 トランジスタの古いもので2C92、2SC22が出てきたので、これで作ることとした。
 送受切り替えにシーメンスキースイッチを使用した。昔の機械についていたものではなく、秋葉原のジャンク品を数年前に購入したもので、アクリルケースに入っており、スナップもしゃれた赤いものである。このスイッチはパネル写真で上にするとロック、下にするとノンロックとなった優れものである。(写真参照)


回路図
【回路】
 回路は、「トランジスタ活用ハンドブック 昭和43年発行 丹羽OM著」を基本としている。特に特徴は無いが、2ステージで10W位出せるというSSBには無い簡便さである。但し変調回路が結構重たい。今回は手抜きで変調回路部分はIC71(アイコム50MHzトランシーバー)のジャンク品からそのまま頂いてしまった。

 発振回路はピアスCBの水晶発振としている。トランジスタは2SC22を使用。データシートにはVHF中出力増幅用とある。PC13Wもある。これだけで0.5W~1W位出力可能である。QRPならば1石でも可能となる。

水晶発振子
今回水晶は川崎電波工業さんに特注した。FT243タイプがよかったのだが、生憎HC-6UとHC-49タイプしかできないとの事で、HC-6Uをお願いした。ジャンクのFT243を送れば内部水晶を入れ替えて作ることは可能との事であった。
 
発振回路のコイルは東光ものコイルタイプのボビンを使用し1次側18回巻きとしている。タップはコールド側から3回、6回、9回と作り動作試験を行ったところ3回の時出力が最大となったのでここを使用。2次側は、2回、3回、4回、5回、6回と試したところ4回、5回の時が最大となったので4回巻きを採用した。

トランジスタとスペーサー
ファイナルは、2SC92を使用。この石は2SC92,93,94と兄弟がある。ほとんど同じ特性である。選別によるものかとも思われる。100MHzで9Wの能力である。当時とすればすばらしい性能であったろう。写真にあるように同じ2SC92でもシルバーと黒があった。微妙に外形サイズが異なり(0.6mm程度)シルバーは固定金具が入らなかったので、今回は黒を使用した。この取付金具も絶滅品であろう。アルミ板やテフロンシート等で自作しても良いかも。

 出力回路には、ローパスフィルタが必須である。2倍波低減極付きとし電波法をクリアさせている。



【構造】 
ケースは、タカチのMB-7(W160 H85 D250)
を使用。放熱板兼サブシャーシーは、W100xH200 1.5mm厚(ハンズの定尺品)2枚 基盤はサンハヤトのユニバーサル基板(ICB88)を使用し極力加工を少なくしている(手抜きとも言う)



【性能】
 電源電圧13.8Vで7W 17Vで10Wであった。概ね設計値であった。実送信でのモニタはこれからである。

LED点滅回路
【遊び】
 パネルについているパイロットランプ(LED2
個)は、電源ONで点灯。送信時交互に点滅するようにしてみた。点滅回路は、最近であればマイコンで簡単にできる。ちょっと前ならタイマーICの555等で簡単にできる。
 今回は基本に戻って非安定マルチバイブレータで製作してみた。送信状態にするとパカパカと点滅する。個人的な好みでスピードを調整すればいい。ちょっと鬱陶しいかもしれないが、送信しっぱなしの防止にはなるだろう。基本的回路を思い出すには面白いかも知れない。消灯→点滅→消灯が普通であるが今回は、点灯→点滅→点灯とする必要があるので一捻りする必要がある。今回PNPタイプのデジタルトランジスタで反転させて実現している。

 この送信機を作ってはたと気づいたのだが、これと連携する受信機が無い。トランシーバーかBCL受信機しかないのである。その為せんよう受信機を作る必要ができてしまった。次回受信機を公表できるよう頑張ります。